~ 2025年3月期 第2四半期 を終えて ~
株主の皆様におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
当期における国内経済は、社会経済活動の正常化の定着や円安によるインバウンド需要の急増等によって、物価上昇を伴う緩やかな回復が継続いたしました。一方で、それらを背景として金融政策の正常化が図られており、金利変動の影響を比較的受けやすいと言われる不動産業を営む当社グループといたしましては、今後も、日銀の動向や米国の各種経済指標、大統領選挙の行方など、その政策決定に影響を与え得るグローバルの政治・経済動向を注視してまいります。
こうした中、当社グループは「利を求むるに非ず、信任を求むるにあり。変わるのは自分、お客様視点でお困りごとを解決する、期待以上で応える」という大方針の下、事業を進めてまいりました。当期の業績は、売上高36,786百万円(前年同期比24.9%減)、営業利益6,703百万円(同44.2%減)、経常利益6,350百万円(同46.8%減)、親会社株主に帰属する中間純利益4,422百万円(同47.7%減)となり、前年同期においてホテル物件や大型のオフィス物件の販売があった反動から、前年同期比で減収減益の進捗となっています。しかし同時に、今期の計画においては物件売却を下半期に多く予定しており、そして通期計画達成に向けて事業は着実に進捗している手応えを感じております。また、物件の仕入れも順調に推移しており、次期中期経営計画期間における持続的な成長に向けて、着実に準備を進めております。不動産サービス事業では売買仲介事業を中心に業績を伸ばしつつ、ストック型事業として安定的な収益基盤を伸長させています。ホテル・観光事業においては、ホテル運営事業がインバウンド需要等堅調な市場の後押しもあり、事業を大幅に伸長させています。ホテル開発事業では下半期に販売を予定しており、今期業績への貢献が見込まれております。加えて、全国各地で多数のホテルの開発計画を推進するとともに、M&Aを活用して運営ホテル数の増加を図り、未来の事業基盤を着々と構築しています。
ここでは第2四半期における特徴的なトピックスを1点取り上げさせていただきます。
この度、当社は私募リート事業に参入するべく、2024年9月18日にサンフロンティアアセットマネジメント株式会社を設立いたしました。今後、当社がスポンサーとなる私募リート(不動産投資信託)の運用開始に向け、まずは2026年3月期の第1号組成を目指しながら、現在は各種許認可の取得を進めています。この取り組みでは、不動産の長期運用を通じて地域の課題解決に取り組むとともに、長期的な資金運用ニーズを持つ投資家の皆様にご支持いただける商品をどれだけ安定的に供給できるかが問われると考えております。設立来25年にわたり不動産の再生と活用の分野において培ってきた当社グループの知見やノウハウを活かし、信頼いただける商品をつくりあげ、地域社会や投資家などのステークホルダーの皆様とともに、持続的に発展する取り組みとしてまいります。また、アセットマネジメント事業を立ち上げることにより、ストック型事業による収益基盤のさらなる強化を図ってまいります。
さて、今期は現行の中期経営計画における最終年度であり、加えて本年5月には当社グループが目指す10年後のありたい姿として長期ビジョン2035と、その実現に向けた次期中期経営計画を発表いたしました。不動産市況や金融市況の変動など、常に先行き不透明な事業環境ではありますが、そうしたリスクへの対策を講じつつ、同時に中長期的な成長を見据え、前述の私募リート事業への参入など足元では様々な新しい取り組みや施策を進めております。それらを同時並行で取り組むことは容易ではないものの、しっかりと地に足のついた各種の取り組みにより地力を高め、一過性ではない持続的な成長を目指すとともに、その結果として株主の皆様に還元してまいりたいと考えています。
当社グループは、社是である「利他」の心で、高い志に基づいた事業の拡大に創業以来取り組んでまいりました。今後もステークホルダーの皆様との調和を図り、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
株主の皆様におかれましては、引き続き一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
2024年11月7日
サンフロンティア不動産株式会社
代表取締役社長
齋藤 清一