Vol. 059
お客様に寄り添い信頼で結ばれること
仕事の喜びが何かを見つけた時から
次の成長がはじまる
リーシングマネジメント事業部 五反田店 副店長
町田 恵美Megumi Machida
リーシングマネジメント事業部 小伝馬町店・日本橋店 副店長
吉儀 綾Aya Yoshigi
2024年8月21日
Keywords
都心で13店舗を運営しているサンフロンティア不動産は、それぞれの地域に根差した事業を特長としている。地域の特性や変化を敏感に読み取り、お客様に寄り添い建設・売買・賃貸・管理・保証・メンテナンスなど組織を横断したソリューションを提供している。現在、五反田店と小伝馬町店・日本橋店の副店長を務めるのが町田恵美と吉儀綾だ。町田も吉儀も新卒としてサンフロンティアに入社し、現場での経験を積み重ね、副店長というポジションで日々の業務に邁進している。
女性活躍という枠で括るのではなく、彼女たちがこれまでどのような成長を遂げてきたのか、そして今後のキャリア構築をどのように考えているのかざっくばらんに聞いてみた。
会社の理念に共感しているから
前向きに取り組み続けることができている(町田)
五反田店で副店長を務める町田に、サンフロンティア入社のきっかけを聞いた。
「大学でサンフロンティアの企業説明会がありました。そのときの参加者は私一人だけだったのですが予定時間になったら直ぐに採用担当の方が説明を始めてくださったことが好印象で、一気に興味が湧きました」
子どもの頃から“先生になりたい”という夢を持っていた町田。すでに教員になるための教育実習を終え、夢がもうすぐ叶うタイミングだったにも関わらず、大きな方向転換に至った理由はなんだったのだろう。
「教員になるつもりだったので、企業研究をする機会なんて二度とないだろうから説明会だけ参加してみようという気持ちでした。そこでサンフロンティアの採用担当の方の雰囲気の良さに惹かれて、本社の説明会にまで足を運びました。“大善小善”について考える機会があったり、まるで道徳の授業のような話を熱心にしている企業は他にありませんでした。また、会社全体がフレンドリーな雰囲気で“人が良い企業で働くのが一番”と思いました」
考え方が合うというのはとても大切なこと。どんなにやりたい職業や入りたかった会社であっても考え方が合わなければ辞めてしまう人も多いこの時代、逆にそれが合えば最初からうまくいかなくとも、結果が後からついてくることもある。
「私はけっこう負けず嫌いなところがあって、先輩方にはご迷惑をおかけしたかな。でも、振り返ると新人の時に先輩方からフィロソフィや業務の基礎をみっちり教え込んでもらったから今があると思っています」
入社当初は“新人は支店配属になることが多い”と聞いていたが、不動産ソリューション事業部への配属は想定外だった。
「初めは、ただただ迷惑ばかりかけていたと思います。売買事業では相続や債務整理など、お客様の人生の節目となる大切なタイミングが多く、当時の私は、知識不足が自信のなさにつながり、前向きに仕事に向きあえていなかったように思います。もう一度その頃の自分に戻れるのなら、わからなくてもいいからもっと頑張れ!って言いたいですね」
お客様とは“信頼”でつながっていたい
家族のような存在を目指して(町田)
発言の節々から町田の頑張り屋で真面目な性格が伝わってくるが、それゆえに悩むことも多かったそう。
「みんな一度はあるとは思いますが、辞めようかなと悩むこともありました。でも、それ以上に、困った時にこれだけ助けてくれる人たちがいる会社って他にはないんじゃないかと感謝することの方が多かったので続けることができました。売買仲介事業を2年半経験してリーシングマネジメント事業部に異動になりました。リーシング業務は経営者の方々と直接話す機会が多く、難しさと同時にやりがいや楽しさを感じることができ仕事に対する姿勢も次のフェーズに入っていったように思います」
五反田店を出店する前のこと、はじめてお問い合わせいただいたお客様に電話で応対したことがあった。そのお客様からは今も娘のように気にかけてもらっている関係だという。
「『あなたの電話の応対がハキハキとして元気が良かったからこの会社に任せようと思ったんだよ』と言っていただいて。先輩方から指導いただいたことをきちんとやり続けていたら、お客様にも誠意がちゃんと伝わるのだと学びましたし、自分の応対を褒めていただけたことが本当にうれしくて。今もお客様のために頑張ろうという気持ちでやらせていただいています」
お客様と会社の一社員という関係ではあるものの、お客様のことに家族のような立場で寄り添っていきたいと町田はいう。そしてお客様が対会社であれば、同じ会社の仲間だと思ってもらえるくらいの人間関係を築きたいのだと。
「以前は、仕事に自信もなく、不安もあり悩む時間が多かったのですが、最近は “もう気に病まなくていい”という方向にマインドチェンジしてきた感じです。会社ではよく“感性的な悩みをもつな”と言います。問題にとらわれ悩んでいるより、思い切って行動をとってみた方がいいと。先輩方にそう背中を押してもらってきたので、やれるところまでやったんだから悩み続けるのはやめよう、という気持ちに切り替えられるようになりました」
先輩たちのアドバイスで特に心に残っているのが“町田はもっと図々しくいけ”という言葉。自信のなさからあと一歩踏み込んだ行動ができない、そんな時に言われたのだという。“町田の人柄ならもっとお客様と仲良くできるはずだ、踏み込んでみたほうがいい”というメッセージ通りに今、できる自分になっていることに喜びを感じている。そう話す町田がはにかむような笑顔を見せた瞬間だった。
大きいことにチャレンジするタイプではなかった
今は、大きいことを成し遂げたいと思うように(吉儀)
吉儀は島根出身。東京か大阪で就職することを目標に活動をしていた。
「都度東京に出てくるのはお金がかかるので、集中して就職活動をするため荻窪でルームシェアをしていました」
会社の説明会を聞きに行く時に決めていたことがあるという。「経営トップの話を聞けばその会社のことがよくわかると思って、社長が登壇する説明会だけに絞りました」そこで、当時社長だった現会長堀口の話を聞いてサンフロンティアに入社したいという気持ちが固まっていく。
「きちんと挨拶をすることなど、人として当たり前のことから始まり、人として正しいことをして生きていきましょうという話で、なんだこの会社は!?と思いました。私は学生時代にバドミントンをやっていてインターハイ出場経験があり、周囲への感謝を忘れないなど、サンフロンティアが大切にしていることはスポーツで私自身が教えられてきたこととつながっていると思いました」
吉儀は不動産業界で営業職に就きたいと考えていたが、営利目的だけが強すぎる社風の会社で働くことはできれば避けたいと考えていた。そのため、サンフロンティアのように人を大切にし、他者のために何ができるかを考えている会社でなら頑張れそうだと直感した。
「不動産の法人営業を担当している大学の先輩のお話を聞いてみました。そこで住宅より“オフィス”の営業にチャレンジして法人営業を経験してみたい、大きい仕事にチャレンジしてみたいという気持ちが強くなりました」
入社当時は新宿店に配属されたのだが、島根から出てきたばかりで新宿という街にも慣れず、また電話応対で気付かぬうちに出てしまう方言を直すのが大変だったという。
「1年目のゴールデンウィークの帰省時、あんなに目標にしていたのに“もう東京に戻るの嫌だな”って思ってしまいました」
会社の人間関係は良好だったし不満は全くなかった。そして同じ中国地方出身の先輩に「島根に帰ったら東京に戻ってきたくなくなっちゃうんじゃない?」と言われ、本心が見透かされているような気持ちになった。
同時にその先輩からは「俺は、辞めるとなったらみんなから必要とされて辞めたい、惜しまれて辞めたい」という言葉を聞いた。「そうだ、私も惜しまれるようになるまで頑張ろう」と一気に気持ちを切り替えたのだという。
いい意味で“人たらし”と言われる、
人付き合いの良さが私の強み(吉儀)
「ビルのオーナー様もテナント様もお客様。周囲からいい意味で人たらしだよね、近づくよねと言われて、ああそうなのかと。笑。でも、元々の性格というわけではないんです。新宿店で日々現場での経験を積む中で、お客様とは仕事上だけのお付き合いでなくてもいいんだ、もっと距離を近づけてもいいんだと学んだところがあります」
「私から訪問するだけでなく、お客様の方から連絡をいただけるようになった時はうれしかったですね。新宿店から小伝馬町店に異動が決まり引き継ぎをした後でも、ちょっとした連絡や話したいことがあるとお客様から直接私に連絡をくださる、そういう人間関係を築けていることがとてもありがたいと感じます。私のことを頼りにしてくださってるのかなと感じられることが喜び」
サンフロンティアの店舗は各地域に位置するも店舗間のつながりが強い。異動後でも良好な関係を続け、お客様に寄り添い続けることが大切だという考え方が共有されている。
社内で受ける刺激も自分の成長の糧になっていると吉儀はいう。
「10年間やってきて染みついてるものがある、そこを覆されるときがたまにあるんです。新人がスマホでAIを使って図面を書いていた、らしい。8年目の後輩女性が『私たちが知らないことを若い人たちがやっている!』と報告してくれ、新しい刺激だなと思って」
入社間もない社員が大きなプロジェクトを任されることが珍しくない社風だからこそ、新人からも学ぶという謙虚で寛容な姿勢が吉儀の言葉にも表れている。そして新しいものを素直に受け入れる柔軟さや好奇心がいい意味で“人たらし”と言われる所以なのかもしれない。
先輩たちに育ててもらったように、
これからは私たちが後輩たちのために
経験を積み重ねる中で、自分自身の成長を実感することがあるかという問いに、2人とも笑顔で答えてくれた。
「副店長という役職をいただいた時に、自分がこれまで育てていただいたことを振り返りましたね。そうすることで、後輩がお客様のところに同行するときはお客様への接し方や会話の運び方などを学んでもらえるよう後輩の存在をより意識しています。気をつけていることは、教科書のようにきちんと話すところを見せるというより、“お客様とこんな話ができるようになったら楽しいよ”という姿勢を見せている感じですね。マニュアル通り、一辺倒ではお客様も楽しくない。お客様に寄り添いながら自分自身も会話を楽しんでいるかどうかが大切だということを伝えたい」(町田)
「若い頃は、お客様の状況をいろいろ理解したくてもどう質問したらいいかすらわからなかった。振り返れば、会話にも広がりがなかった気がします。今ではそこにゴルフバッグが置いてあるだけでも会話のきっかけをつくったり、お客様のちょっとした言葉や些細なことから切り口を見つけてそこから間口を広げていけるようになったのは成長ですね」(吉儀)
お客様との会話が10分程度で終わってしまった時期もあったという。経験を重ねていくうち、徐々にお客様の方から長く話をしてくれるようになった、相談を持ち掛けてくれるようになった、そんな変化が現場での仕事の醍醐味でもあり、お客様や育ててくれた先輩たちへの感謝の気持ちで嬉しくなる。
副店長として、一社員として、
人としての幅を広げていくために
理念経営とアメーバ経営を二軸として成長してきたサンフロンティアでは、各店長は経営者としての役割を担っている。新規のお客様の開拓から様々なお困りごとの解決まで、組織横断的なソリューションを提供するため各部署との連携も重要だ。その右腕が副店長であり、ある意味店長が求められている職務と同じことを担えるスキルと経験を構築していかなければならない。特に人財育成に多くのリソースを掛けているサンフロンティアで、店舗における人財育成はどのようなものなのだろうか。
「これまで店長に任せていたマネジメントや組織全体を見るということを意識しなければならないなと思っています」(町田)
町田はこれまで、人財育成について積極的ではなかったのかもしれない、と自身を省みる。サンフロンティアならではの先輩との強固な信頼関係があるがゆえ、後輩の教育やマネジメント業務は店長や上司が行っているから大丈夫、と積極的に介入してこなかった面があった。後輩に教えられることはすべて教えてきたが、その場限りの指導が多かったのかもしれないと町田はいう。これまで自身の業務量や忙しさで先輩方に任せきりだった指導を、自らが積極的に行っていかなければならないという気持ちに変わっていった。副店長という立場になり、自分自身に注力するフェーズから、先輩たちと同じ目線で業務や人財育成に向き合うフェーズへ。組織全体を見て、より良いチームづくりのためにどう動くか、マネジメント意識が強くなったと真剣な眼差しで語ってくれた。
「副店長に任命いただいた際、“副店長の役割について教えてほしい”と部長に時間をいただきました。『何かあった時に、店長不在でも店長として務まるようになってほしい。そのためのスキルと経験をしっかり積み上げていくこと』というのが部長からの言葉でした。副とつくものの店長と同じように仕事ができなければならないのだと気付かされました」(吉儀)
人と接するのが好きで営業職を希望し、“人たらし”だと言われるほど周囲との関係性を良好に築き上げてきた吉儀に、「副店長」というポジションはより高い目標を与えてくれるものだった。マネジメント意識を持って、一緒に働くメンバーもまた自分と同じようにやりがいや楽しさを感じながら仕事に向き合ってほしい、そんな職場環境を実現すべく、今は試行錯誤の日々だという。吉儀としては、店長が経営を見ている間、副店長である自分が人を育てるところで下支えしていきたいと考えている。後輩を育成し支店のレベルを上げていくこと。以前は自分の仕事に没頭することがほとんどだったが、今では離れた場所での会話もできる限り聞き取って「それはこうだよ」と声がけをする、相手から聞かれるより先に自分から声をかける、各所に首を突っ込んでいこうという気持ちで接していると意を決したように語ってくれた。
最後に個人として目指していることを聞いてみた。
吉儀は「やはり一番の喜びは異動をしても連絡をくれるお客様がいてくださること。そのようなお客様をもっと増やしたい。自分のファンを増やすことを常に意識していきたいと思っています」と話してくれた。
町田は、「サンフロンティアにはスーパー営業ウーマンがいるんですよ。彼女のようにこの人になら協力したいと思われるような人間力をもっと付けていきたい。例えば、私はつい業務での心配事を家に持ち帰ってしまうのですが、彼女は仕事と家庭の両立がしっかりしている。目指したいロールモデルがいるということはありがたいです。自分もいつかそうなりたいですね」
サンフロンティアでは、男性だから・女性だからという線引きはあまりなく、また時短で活躍している社員も多い。実際若手でかつ女性の副店長という2人の話を聞いてみると、“女性だから”という感覚を持たずに業務に向き合っている姿勢が分かる。お客様の家族のように、また、ファンでいてもらえる自分であるために、目指す姿は異なるものの高い目標に向かい切磋琢磨の日々だ。
Next Frontier
FRONTIER JOURNEYに参加していただいた
ゲストが掲げる次のビジョン
“人間力を高めながら仕事と家庭の両立を(町田)
自分のファンをもっと増やすこと(吉儀)”
編集後記
「パーパス経営」という概念が様々なところで議論され、書籍やセミナーも急増しています。言葉は違えど、会社の最も重要な資産でもある「人財」について考える機会となりました。そしてサンフロンティアが理念経営をずっと大切にしてきたことの意味を現場のお二人を通して改めて確認することができました。それは、縦横のつながりの強さ、縦糸と横糸が織りなす強い組織の在り方。お客様のお困りごとに対するソリューションを組織横断的に提供するという理想をいくら掲げても、実践するのはそう簡単ではない。フィロソフィが徹底されているからこそ、所属部門に関係なく仲間と共にお客様に寄り添うというカルチャーが出来上がっている。また、常に前向きであること、謙虚であることなど、日々仲間と共有し実践してきている組織の基盤は想像以上に強固であるとお二人のお話を通して確信できた取材でした。
取材中にひょっこり顔を出して挨拶してくれたのは、以前銀座店店長としてFRONTIER JOURNEYの取材に協力してくれた小川さん。今回の取材場所である神田店の店長として、長年勤めた銀座エリアとは異なる個性を持つ神田エリアの魅力を語ってくれました。東京という街の魅力は、それぞれのエリアの歴史や産業、地域の個性によって生まれているのですね。
それぞれの地域に根差し、先輩や若手の皆さんから学びや刺激を受けながら成長いくお二人のジャーニー、お楽しみいただけましたら幸いです。
サンフロンティアのサステナビリティレポートはこちらから
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