FRONTIER JOURNEYとは

FRONTIER JOURNEYでは、様々な領域で活躍する「人」に焦点を当て、
仕事への想いや人生哲学を深くお聞きし、私たちが大切にしている「利他の心」や新しい領域にチャレンジし続ける「フロンティア精神」についてお伝えしています。
人々の多彩な物語をお楽しみください。

Vol. 045

想いを共有し、常に繋がり続けられる仲間がいる
フィロソフィこそが未来を拓く原動力

ビルディング事業部 リプランニング部 部長
小林 寛之Hiroyuki Kobayashi

ビルディング事業部 リプランニング部
髙橋 怜美Reimi Takahashi

経営企画部
実川 浩之Hiroyuki Jitsukawa

2023年10月27日

成長拡大する企業の宿命として、社員の数が増えれば増えるほど、共通の価値観を浸透させるのは難しくなる。転職が当たり前の時代そして働き方が多様化する現代においてはなおさらだ。
フィロソフィ経営を実践するサンフロンティアは、社是として掲げる「利他」の心の浸透を特別大切にしている。毎朝、読み合わせが行われる経営理念手帳は、その象徴ともいえる。125項にまとめられた厚みのある手帳には、創業者の堀口智顕が9年にわたり発信してきた言葉と想いが凝縮されている。その一つひとつが社員にとって行動指針となり、サンフロンティアらしさのある“価値創造”につながっている。
社員たちは、仕事の現場でどのようにフィロソフィを受け止め、実践しているのだろうか。ビルディング事業部のベテラン社員の小林寛之、キャリア採用であるビルディング事業部の髙橋怜美と経営企画部の実川浩之。多様なバックグラウンドを持つ3人が歩む仕事の軌跡から、フィロソフィを日々実践する社員の姿に迫った。

テナント100軒を巻き込む停電事故
大きなトラブルを乗り越えて感謝される喜びを実感(小林)

小林は、社歴20年を超える古株だ。新卒採用1期生として、サンフロンティアのフィロソフィを深く知る一人であり、社の黎明期から今までを駆け抜けた社員でもある。学生時代は野球に打ち込み、体育会系の厳しい環境で鍛えられた小林は、辛いことに耐えられる自負を持っていた。それでも入社直後は苦労したという。

「社会に出たばかりで右も左もわからない上に、仕事は難しい。5月病にもなって、会社に行くか迷いながら、早朝の喫茶店で意を決してから出社することもありました」(小林)

当時のサンフロンティアは、新卒採用を始めたタイミングというだけあって、人財教育にかける熱量も並大抵のものではなかった。求められる猛烈な働き方についていけず同期は次々と辞めていった。小林自身、辛い思いをすることがあっても辞めなかったのは、会社がダイナミックに成長する渦中で、自分自身も日々強くなっている実感が得られたから。彼はこの頃の経験があったからこそ今の自分があると、がむしゃらに突き進んだ若き日の環境に感謝しているという。
辛さを乗り越えた20代の半ば、小林に仕事の楽しさや喜びを真に知る機会が訪れる。入社3年目、リプランニング事業部(当時)へ異動となり初めて担当した案件。それは、銀座8丁目に所在するオフィスビルを飲食店舗ビルに用途変更するプロジェクトだった。既存テナントのご移転と第三者が区分所有していた地下部分の買取りがバリューアップに向けて必須であり、さらには耐震性の低い旧耐震基準のビルであったため、テナントが入居しながら耐震補強工事を行う必要があった。成功すれば、社としても業界的にもエポックメーキングとなるような難易度の高い案件を担当した小林に、大きなトラブルが降りかかった。内装の解体工事中に、業者が誤って水道管と一緒に高圧ケーブルを切断してしまい、近隣ビル8棟を巻き込む停電事故を起こしてしまったのだ。テナント数にして100軒にのぼる被害。小林は冷や汗をかいた。そこで働く人々のビジネスを止めてしまう一大事である。しかし逃げるわけにはいかない。できることは、一軒一軒、真摯に事情説明と謝罪に訪れ、補償にも対応すること。覚悟を決めて謝罪を繰り返していくうちに、小林の内面に変化が起きた。

「自分が直接引き起こしたわけではない。それでも現場の責任者として全ての責任を引き受け、一人称で説明と謝罪をする。それまでは、自分が矢面に立つことに苦手意識がありましたが、この経験のお蔭で肝が据わりました」(小林)

毎日のように足を運び、ひたすら謝罪を重ねた小林。すると訪問先に同業者がいて、「若いのにしっかりしているね、今度一緒に仕事しようよ」と声をかけてもらえた。やがて事態は収拾し、結果としてプロジェクトは成功。小林は自身の成長とともに、仕事における喜びを実感した。

「関わった皆さんや地域の方々から『あのビルすごく良くなったね』と言っていただけたのが嬉しかった。一生懸命やればたくさんの人が喜んでくれる。これが仕事か、と感じ入りました」

未経験の領域で、仲間とともに成し遂げ、感じたやりがい(髙橋)

社歴9年目の髙橋はキャリア採用。異業種未経験のスタートだったが、入社まもなくしてテナント募集のメイン担当をするまでに。入社のきっかけは“めぐり合わせ”だった。

「転職を考えていた際、当時在籍していた会社の総務の方にサンフロンティアを紹介していただいたのがきっかけです。お会いした社員の方も好印象でしたし、せっかくの紹介でもあるので気軽な気持ちで入社を決めました」(髙橋)

初めての不動産業界で、入社当初はリーシングマネジメント部門に配属。業種や業務内容ばかりではなく、毎日朝礼があり社員が一日の始まりから全力始動をするような、今まで出会ったことのない社風にも圧倒され、不安にも思ったという。

そんな不安は仲間ができたことで払拭された。髙橋が配属された銀座店は、皆で飲みに行くことも多いアットホームな環境。人間関係に馴染み、わからないことがあれば親身になって教えてくれる先輩に恵まれた。ビル経営者と接する機会が多いリーシングという仕事も、接客業の経験があり人と話すのが好きな髙橋にとってやりがいを感じられた。特に印象に残る仕事は、銀座の昭和通りにあるビルのリーシングを担当した時のこと。旧耐震の古いビルで、オーナーは空きフロアがあってもテナント募集を行わず諦めている様子だった。髙橋はそこに着目し、何かお役に立てないかとリニューアルの提案を持ちかけたところ了承を得られた。
通常の事務所ならば、白い壁紙で無地のタイルカーペットを敷くというのがよくある提案である。しかし髙橋は、より価値が高くなるようなアイデアの形を考え抜いた。

「当社は単なる再生に留まらず、バリューアップを得意としています。そこで通常の再生工事ではなく、そのビルの特長にも成り得るようなデザインを取り入れる提案をしました。室内だけではなく外装、共用部なども含めて、それなりの費用がかかるリニューアルを私たちに任せていただけたのです」(髙橋)

その分、作業は広範囲にわたり、入社して日の浅い髙橋一人ではわからないことも多かった。しかしここでも横の繋がりを大切にする社風が活きてくる。サンフロンティアは社内イベントが多く、直接一緒に仕事をしたことがなくても、イベントを通じて親しくなった他部署の仲間がたくさんいた。そんな人間関係が髙橋をしっかりとサポートし、ビルは装いも新たな佇まいに。結果、ビル経営者であるお客様に喜んでもらえた。その経験が髙橋の心に深く刺さり、行動指針にも影響を与えた。

「不動産はビル経営者様にとって資産価値の高い大事な財産。任せていただく責任やプレッシャーを感じながらも、真っ向から向き合うことで感謝していただけた。すごくやりがいのある仕事だなと感じました」(髙橋)

失敗から見えた 飾りではないフィロソフィの実践(実川)

3人の中で社歴が一番短い実川は入社5年目。髙橋同様、異業種からの転職組だ。経営企画部として経営の舵取りを担いながら、社のフィロソフィを体系的に整理する「Vision Project」にも携わった。

「子どもの頃は、”やりたいこと”よりも”出来ること”を選ぶ性格でした。自分の得意なことを選んでいるつもりでしたが、安全志向だったんだと思います。」(実川)

1社目に選んだのは損害保険会社。職選びもそんな性格の通り「まあ、この仕事なら出来るだろう」と思い決めた。しかし、その消極的な姿勢を周囲に見透かされてしまう。当時の上司から、仕事への姿勢に真剣さが足りないと注意を受けた。この時、チャレンジをせずに保身に回ってしまう自分の性格を痛感する。指摘が心に残った実川だが、30代を前にしてやにわにチャレンジングな仕事への熱意が芽生えた。知人の紹介で、アメリカから機械や食品を輸入して日本で卸販売する事業の立ち上げに関わったのだ。取引先ゼロからのスタート。人づてに少しずつ顧客を増やす。2、3人から始めた事業が、最終的には30人近くに拡大した。必死になって働いた8年半。やりがいを持って取り組んでいたが、やがて転機が訪れる。

「当時の社長が、仕事の目標として『目立つことをやりたい』と言ったのです。かっこいいとか目立ちたいとか、そういう感覚で仕事をするのは自分にとって違和感があって」(実川)

では自分はどうありたいのか。答えを見つけられず悶々としていた実川に、サンフロンティアとの縁がつながった。仕事を通じて知り合った人物が、サンフロンティアの創業者である堀口と同郷で、「稲盛和夫氏の盛和塾に学んで、利他を大事にする人物が会社を大きくしている。もし興味があるなら、紹介できるよ」と声を掛けてくれたのだ。ちょうど迷いがあった時期。意を決して「紹介してほしい」と願い出てから採用されるまでのスピード感は、サンフロンティアらしさを伝えるエピソードだ。

「翌日には電話がかかってきて、その翌日に堀口との面接。トントン拍子で話が進んで入社することが決まりました。」(実川)

創業者自らが、面前の入社希望者の人柄を直感で見抜き、即断即決。適性試験などでは測れない、魂の採用活動だ。入社した実川も「やれそうだからやる」という姿勢ではなく、「いついかなるときも人と社会のために働く」というサンフロンティアでの働き方を意気に感じた。そんな実川にとって、サンフロンティアという会社を知る上で印象に残ったエピソードがある。入社して1年ほどの時期。会社をあげて投資が活発に行われる環境下において、彼は現預金保有額に対してどこまで投資を行えるかという額を算出するタスクに従事していた。自分の算定した金額が、事業の方針を決める重要な材料になる。大きなプレッシャーを感じていたある日、実川はトラブルを起こしてしまう。

「社長や事業責任者を含めた会議で、『あと何十億円は仕入れることが可能』と説明しました。ところがその2日後ぐらいに、私の計算が間違っていて実際にはそれより20億円ほど低いことに気づいたのです。青ざめましたね」(実川)

折悪く、誤りに気づいた日は上司が終日不在だった。そのため、当時副社長で現在は社長を務めている齋藤に直接報告することになった。この時点で実川は齋藤と会話した経験もほとんどなかった。緊張でがちがちになりながら状況を説明すると、齋藤は実川の言葉にじっと耳を傾け事態を把握した。そしてミスを咎めるのではなく、「正しくはどうなのか」「誤謬が生じた原因は何なのか」を確認し、再び会議で報告することを指示したのだった。「過ちて改めざる是を過ちという」。数あるサンフロンティアのフィロソフィのうちの一つが、齋藤の反応に裏づけられていた。この時、実川は朝礼等で折に触れ唱和されるフィロソフィが絵に描いた餅ではなく、そこで働く人々の骨の髄まで貫かれていることに改めて驚いた。

仕事のあり方を決めるバリュー

異なる道のりを辿った3人だが、全員がサンフロンティア入社後に新たな仕事観を得ている。サンフロンティアには7つのバリュー(行動指針)がある。その一つひとつが上辺ではなく、実際の仕事において実感されている。3人に特に気に入っているバリューを尋ねた。

「『素直に明るく美しく』です。成長の源は素直な心という言葉が続くのですが、入社当初から好きなフレーズです。経験を積んでベテランになっても、先入観を取り払って素直に人に教えを乞う。自分が成長するために、今後も大事にしたいフィロソフィだと思っています」(実川)

入社当初から仲間に支えられ仕事を成し遂げてきた髙橋は。

「『仲間のために働く』ですね。仕事は多くの人が関わって成り立っている。自分が妥協すると、協力してくれた皆のことを裏切ることになる。あとひと踏ん張りができるのは、自分のためではなく仲間のためだから。実際に働いている中で実感する場面が多々あります」

サンフロンティアの社員が仲間のために働けるのは、仲間の心を動かす強い想いが本人にあるから。「仲間のため」の源には、それぞれの”想い”があると小林は考えている。

「どれか一つに絞るなら『思念は業を作る』ですね。人が強く念じたことは実現するという意味です。裏を返せば、思い立たない限りそれは絶対に実現しないんです。まずは強く願うこと、念じること。次にその実現には何が必要かを考え抜くこと。私は入社希望者の面接を長らく担当していますが、その方々たちにもこの言葉を伝えています」(小林)

フィロソフィの先に広がる それぞれのフロンティア

バリューの実践の先には、サンフロンティアのなすべきこと(Mission)、ありたい姿(Vision)の実現がある。3人は未来をどのように思い描き、どのように近づいていくのだろうか。

「求められたこと、目の前のことを確実にやっていく。入社した経緯も縁であるように、都度の縁に応えていくことを積み重ねる。このことをこれからもやっていくと思っています」(髙橋)

一方、実川は少し先の未来の具体像を描く。

「堀口や齋藤が『1兆円企業を目指す』と標榜しています。これは一見、『利他』の定義から外れているように聞こえるかもしれません。しかし当社では、売上は社会から信頼され、社会に貢献した価値だと考えられています。この数字の規模は、まだまだ現在地とは乖離がありますが、達成できると信じています。当社の事業がそういう規模になるまで仲間と一緒に携わりたいです」

売上はお客様からいただいた感謝の総量でもある。感謝の積み上げの先に、企業としての大きさがある。そのことを小林は別の表現で言葉を継ぐ。

「サンフロンティアといえば、『素敵な企業にお勤めですね』と言ってもらえるような企業にすること。そう思われる企業になれば、自然と実川がいうような規模にもなる。『あの会社で働いてみたい』というのを突き詰めれば、つまり自分の子どもを入れたくなるような会社ということですよね。私は自分がサンフロンティアで学んだことを伝えたいし、機会があればうちの子どもも入社させたい。社会的にそう思われる企業にしたい。それが夢です」

素直な心で成長する。仲間とともに、仲間のために働く。思い続けることで、想いを現実にする。その全てが利他に集約される。多様な個性が共通のフィロソフィをもって協力し合う。その先にそれぞれが思い描くフロンティアが広がっているのだろう。

Next Frontier

FRONTIER JOURNEYに参加していただいた
ゲストが掲げる次のビジョン

縁を大事に、求められることに応え、積み重ねていく(髙橋)
社会から信頼される、1兆円規模の企業に(実川)
わが子を入社させたくなるような素晴らしい企業に(小林)
編集後記

都心のオフィスビルをスクラップ&ビルドするのではなく、工夫を凝らし技術を駆使して高付加価値物件へと生まれ変わらせる――。2024年4月、創立25周年を迎えるサンフロンティアの事業は、持続可能な社会を実現するためのサステナビリティ・ビジョンを象徴する事業。不動産の資産価値を高めるのはもちろん、廃棄物や温室効果ガス排出を大幅に抑え、周辺の街の賑わいや活気を取り戻すことにもつながるもの。仲間や関係する多くの人々と広く喜びを分かち合う仕事であるだけに、今回取材に協力してくれた小林、髙橋、実川のように、お客様の喜びそのものを自らの志、そしてフィロソフィとしてこれたのでしょう。働くということの本質的な意味や目的は何か、永遠のテーマでもある問いを改めて噛み締めた取材でした。

サンフロンティアの採用ページはこちらから:https://recruit.sunfrt.co.jp/

いかがでしたでしょうか。 今回の記事から感じられたこと、FRONTIER JOURNEYへのご感想など、皆さまの声をお聞かせください。 ご意見、ご要望はこちらfrontier-journey@sunfrt.co.jpまで。

FRONTIER JOURNEY メルマガ登録はこちら!

Voice

基本的にVoiceでお送りいただいたコメントはサイトに掲載させていただきます。
ただし、内容によっては掲載されない場合もありますので、ご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

文字数は250文字まででお願いいたします。
残り 文字

CAPTCHA


TOPへもどる