Vol. 044
仲間と共に創り、喜びを分かち合う。
どこまで行っても、仕事とは“人”なり
人事部 新卒採用担当(現在は人財育成担当)
江濱 藍Ai Ehama
人事部 キャリア採用担当
清水 歩夢Ayumu Shimizu
2023年10月13日
持続可能な社会の在り方を見つめ直すムーブメントの中で、「人的資本」という言葉がクローズアップされている。その名の通り、人材を資本と捉え、その価値を最大限に活用するという経営上の考え方だ。サンフロンティアでは、創業当初より従業員の物心両面の幸福を追求しながら事業を推進する経営を行ってきた。企業として掲げるバリュー(行動指針)は「仲間のために」「素直に明るく」など、企業人であることの前に“人間としてのあるべき姿”を問うものが多い。社員の言葉に耳を傾けると「当社は人が魅力」という自らの評価が一貫している。だからこそ、人材ではなく必ず“人財”と表記している。それだけに、現在も通年で採用を進める人事部の重要性は計り知れない。今回は、社員の採用や育成にかける方針や取り組みそして想いを、新卒採用を長年経験し現在は人財育成を担当している江濱藍と、キャリア採用担当の清水歩夢への取材を通じてお届けする。
仲間と一緒に何かをつくりあげることや、だれかの役に立てることが何よりのモチベーション
「人と人が集まって、皆でひとつのものを創る。それがやりがいの源泉です」
そう話すのは、新卒の採用を長く担当してきた江濱藍。江濱は小学校高学年時と中学校での3年間、吹奏楽部でトランペットを担当していた。
「1人1人それぞれに役割があって、それを果たしながら、発表会やコンサートでは大勢でひとつのものをつくりあげることに楽しさを感じていました。私は1人で人前に出るのは苦手なんです。でも皆と一緒なら楽しい。このときの体験が、サンフロンティアで働きたいと思った動機のひとつかもしれません」(江濱)
彼女は “人”に興味を持ち、大学では心理学を専攻。サンフロンティアで人事部として配属されたのは「その経験も関係していたのかもしれないですね。今思うとありがたい配属でした」と言う。
「吹奏楽部で体験した、人が集まったときに生み出すパワーに深く関心があり、心理学を専攻しました。就職するにあたって不動産業界に足を踏み入れたのは、 “仲間と一緒に、街を創るような、ダイナミックで格好良い仕事ができるのではないか”という思いがあったから。一次選考がグループ面接だったのですが、面接官の方が1人1人の話をよく聞いてくれて、すごく好印象だったことも志望した大きな理由のひとつです」(江濱)
一方の清水は、「いわゆる“目立ちたがり屋“でした」と笑う。しかし話をよく聞くと、「主役は自分」ではなく、むしろ他者があっての自分、という意味合いの方が強かった。
「大学時代、パルクールやダブルダッチというスポーツに熱中していました。人前に出て目立つのは好きだったのですが、どちらかというと、見ている人に喜んでもらったり、人を驚かせたりするのが楽しかった」(清水)
清水はもともと父親の仕事の都合により、海外を含めさまざまな土地で幼少期を過ごした経験を持つが、行く先々で「周囲の人に親切にされてきた」という。その経験が「人の役に立ちたい」「人を喜ばせたい」という心を自然と根付かせたのではと本人は推察する。
「『人や社会の役に立つうえで、金融の力が欠かせない』と思い金融業界へ就職しました。しかし働くうちに『会社はあくまでも箱。会社をつくるのはお金ではなく、中にいる“人”である』と考え方が変わり、人材業界へ転職しました。そこで不動産領域を担当することになり、取引先の中の1社にサンフロンティアがあったのです。企業研究をする中で、人を大切にし、理念経営を行っているところに魅力を感じました。また、今の上司とのご縁もあり、“サンフロンティアで人財育成に携わりたい”と転職を決意しました」(清水)
2人とも入社前からサンフロンティアの社員に好印象を抱いていたが、今度は自分が入社希望の人たちから“サンフロンティアの顔”として見られる立場になった。
大切な人財の採用や育成を任されるとあって、重圧を感じつつも、新たな人と出会えることのワクワクのほうが勝るという。根っから、人とのかかわり合いが好きなのだ。
経験よりもその人が持つ“矢印”の向きに注目
「当社のキャリア採用は、不動産業界未経験の方も対象としています。むしろ未経験の方とのほうが、新しい発想でシナジーが生まれることもあると考えるからです。見極めるべきは、その方が会社の向いている方向と同じであるかという点。幼少期の体験やこれまでの人生などを聞いて、『この人はどこを向いているのだろう、どこを見て生きているのだろう』ということに意識を集中しています。1人1人の持つエネルギーみたいなものをとても大事にしています」(清水)
向き合ったときに感じる熱量など、言葉以外からも読み取れる情報はたくさんある。さらに「もうひとつ大事にしていることがあって」と、自分ならではの採用への取り組み方を示してくれた。それは、“とにかくその人に興味を持つ”ということ。マニュアルは存在しない。形式的な質問だと人の本質は見えてこない。上司から「これを聞きなさい」と、面接時の質問について何か指示をされたことは一度もないという。
「上司や会社から学んだことは、『その方の入社が当社に利益をもたらすか』ということより、『その方が入社したときに、本人はもちろん、ご家族まで幸せになれるかどうか』を考えるべきだということ。社員の幸せがサンフロンティアにとっての幸せであるというフィロソフィと同時に、そのほうが結果的に会社を良い方向に向けてくれる。そう信じて採用に取り組んでいます」(清水)
新卒採用でもその人の先を見据えつつ、家族のように包むこむ
清水が語ってくれた考え方はキャリア採用だけでなく、新卒採用においても貫かれている。
「志望動機は? 会社に入ったらやりたいことは?」などの“定型質問”は多用しない。江濱は、上司から言われてきたことを胸に刻んでいた。
「入社以来ずっと、『1対100の採用ではだめ。1対1をたくさん重ねていくことが大切』と言われていて、私自身すごく共感しています。興味を持ってきちんと1人1人と向き合うことで、相手の人となりを知っていきます」(江濱)
さらに「採用する側、される側」という構図も好ましくないと江濱は言う。入社希望の人にもサンフロンティアのことを深く理解してもらい、双方が互いに魅力を感じられるかが重要なのだ。そのための例として、新卒者向けに開催する説明会などの場では、人事部の採用担当の2名が、お互い会話をしながら説明会を開いているという。
「説明会を、ただの“説明”の場にしないこと。プログラムにそって、社員が決まりきったことを一方的に話すのではなく、社員同士が会話をしながら進めていく。それにより、参加者には社内の雰囲気や人間関係がリアルに伝わると思うんです。本音や人柄まで打ち出していくことで、非言語レベルで感じ取っていただくことが大切」(江濱)
そうして互いへの理解を深くしたうえで「その人の未来」を考えて採用をしていく。入社する時点で既に人となりがわかった状態でスタートするわけだ。
人間関係は積み重ねて深めるもの。入社後の“おせっかい”がサンフロンティア流
「10%」。
これは総労働時間に対して、育成に係わる時間の割合だという。社員1人1人の“成長”に充てられる時間のパーセンテージである。人事部では常にこの数字を意識している。8時間勤務で1日48分。毎日と考えるととてつもない時間だ。
「新卒の社員は、OJT(On the Job Training)と、年齢の近い若手社員によるバディがついて、育てていきます。私も育成担当として、新卒で入った社員のお母さん、いや、お姉ちゃんのつもりで見守っています(笑)。それくらいの距離感でコミュニケーションをとっていきたいし、頼ってもらいたいんです。ただ、社内には私の他にも“家族”がいて……(笑)、 “チームでこの社員を育てていこう”という考えが強い。OJTとバディを中心にしつつも皆で成長をサポートするイメージです。私が入社した当時のOJTには、今でも困ったときに頼っています」(江濱)
「キャリア採用で入社した社員については、1カ月、3カ月、半年ごとに、入社後の業務状況に応じて面談の機会を設けています。その方の様子を見て1週間や2週間の間隔で行う場合もあります。周囲に教えてくれる人がたくさんいるか、仕事で孤立していないか、心配事はないか、そういったことをヒアリングしてフォローしています」(清水)
サンフロンティアが掲げるバリュー(行動指針)の最初に書かれているのは「仲間のために働く」である。2人の言葉から、これが単なるお題目ではなく、血の通った鉄則になっているのがわかる。前職で他の不動産会社を見てきた清水は言う。
「不動産業界は、上司も同僚もみんな仲間というよりはライバルという意識を持って業務に取り組んでいる企業が多いように思いますが、当社の考え方は真逆です。どれだけ多くの仲間やチームと連携・協力出来るかが重要です。“全員であげた業績”という考え方だからこそ、仲間を頼りながら安心して業務に取り組めるため、結果、質が高くミスのない仕事になる。業界内で大きな会社ほど、組織内が縦割りになっていて例えば、ビル経営者さまから連絡があったときに『担当部署から連絡させますね』で終わってしまいその後どうなったかもわからない、ということになりがちです。当社の場合は全部署部門が一丸となって、一緒に案件を解決できるように「サンフロンティア」として一緒に動きます。社風としてもいい意味で、みんな放っておいてくれない会社です(笑)。キャリア採用で別の不動産会社から来た人は、そのおせっかいぶりに先ず驚きます」(清水)
一方で「さまざまな人が連携してかかわりますが、最小単位のチームは、少人数」と江濱は言う。
「『10名前後のグループがいくつもある』という状況ですね。各チームを独立した小さな一つの会社に見立てて、チームごとに採算をとる経営をしていて、少数だからそれぞれのチームリーダーの存在が与える影響が大きい。チームによって色がまったく違うので、見ていて面白いです。ただそこには『フィロソフィ』という共通の理念が通底しているので、ブレないんです」(江濱)
根底にある「利他」の精神が、皆を突き動かしていく
社是は「利他」。「一生をかけてどれだけ多くの人の役に立たせていただけるか」を問う、サンフロンティアを象徴する言葉だ。仲間と連携し高め合って、足し算ではなく掛け算式に良いものを築いていく。そして人財育成の「目指す姿」として、いまサンフロンティアが推進しているのが、持続可能な社会の実現に向け「利他の考え方を社外にも広めていく」というものだ。
「当社の一番の魅力はやはり人なので、SNSなどの発信ツールを介して、私たち社員一人ひとりの言葉や人となりを知ってもらえる機会が増えれば、共感の輪がひろがり、次の仲間になってくれるのかな、と。だから私たちのことを伝える努力というのは、これからもっとやっていかなければならない」(江濱)
「この『FRONTIER JOURNEY』も大切なツールのひとつです。社内外に『読んだ』『共感した』と言ってくれる人が大勢います。正しい私たちの本質をよりよく知っていただく機会を増やしていけば、私たちへの深いところでの理解が自然と広がっていくのかなと思います」(清水)
サンフロンティアの大方針「利を求むるに非ず、信任を求むるにあり」。この方針が指し示す象徴的な例として、「他社にあってサンフロンティアにないもの」がある。それはノルマだ。もちろん目標はあるが、ノルマ達成を目的にしてしまうと利益だけを求めることになり、「お客さまからの信任は得られない」と考えている。
「利己的であること、自社だけの利益を追求しようという姿勢は、結局、社会と永続的な関係を築くことを難しくします。ふとした拍子に、お客さまが私達の存在を思い出してくださって、相談してくださる。そんな関係性を構築したいと、常に取り組んでいます」(江濱)
モノや数字ではなく、目に見えない信頼。血の通った人が真摯に向き合って築き上げることが大事なのだ。
「働く」も、「仕事」の「仕」も、“人”がつく――。「仕事とはすなわち人である」。真理は常に、そこにある。
Next Frontier
FRONTIER JOURNEYに参加していただいた
ゲストが掲げる次のビジョン
“当社の教育システムを社外にも展開する(江濱)
海外人財の採用。それを起点に“サンフロンティアクオリティ”を世界へ発信(清水)”
編集後記
取材中、2人から頻繁に発せられたのが、「ありがとうございます」という言葉。相手に対する感謝を常に言葉にするというカルチャーが、取材の場面にも自然に出てきて終始心地いい空気が流れていました。ビジネスの前線では、かつて手紙や電話で成されたコミュニケーションがEメールに置き換わり、今ではメールも過去のものとして、短文・高速でやりとりするチャットが主流になりつつあります。そこで追求されるのは、とかく「効率性」。でも、人と人がチームを組み仕事を進めていくのに、効率性だけで本当にいいのかと考えてしまいます。サンフロンティアの社員に染みついた「おせっかいの精神」は、効率性のみを重視する現代のビジネスシーンに一石投じ、「仕事をすること」「仲間と心を一つにすること」の本質を問いかけています。
いかがでしたでしょうか。 今回の記事から感じられたこと、FRONTIER JOURNEYへのご感想など、皆さまの声をお聞かせください。 ご意見、ご要望はこちらfrontier-journey@sunfrt.co.jpまで。
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